1年にわたって、アメリカを多角的に学んできた本シリーズは今回が最終回です。世界にとっても日本にとっても多大な影響を与えるアメリカ。「アメリカのなぜ?」の答えをご一緒に探りましょう。 講師 國安俊彦氏より アメリカ大統領選挙も、11月4日の投票日まで2か月余りと迫りました。1年以上も世界中の人々の関心を集めてきた「激戦」にいよいよ終止符が打たれるのです。
今回の大統領選挙は、民主党の予備選挙とりわけバラク・オバマに世間の注目が集中したことが大きな特徴でした。黒人初の大統領候補としてのオバマ、女性初の大統領候補としてのヒラリー・クリントン。両者が史上稀にみる接戦を繰り広げ、民主党の予備選挙がアメリカのみならず普遍的な歴史的価値を背負うことになったことが、注目を集めた理由です。
またブッシュ大統領に対する否定的な評価も、民主党に焦点が当たった大きな要因と言えます。30%を切る低い支持率、イラク戦争の「失敗」、アメリカ経済の低迷など共和党に対する逆風が吹き荒れ、民主党に有利な環境が整いつつありました。したがってマッケインに対するオバマの優位な立場が予想されたのです。
ところがここにきてオバマの支持率は伸び悩んでいます。8月19日のギャラップ世論調査では、マッケインに対するオバマの優位性はわずか1%にすぎません。
「オバマ・ブーム」はすでに失速したのでしょうか。そもそも「オバマ・ブーム」とは一体何だったのでしょうか。マッケインの選挙戦略や政策との比較、アメリカ社会の動向を分析しつつ、今回の大統領選挙の展望と本質について考えていきたいと思います。 |